迷 宮 旅 行 記

長距離のバス待つ君の人生はさておき旅はまだ先がある

海南島〈第4日〉

【三亜 大東海→亜龍湾→大東海】



宿泊中のホテルでは別の施設が工事中。朝から騒音を一帯に響かせる。おかまいなし。今回の旅は「やかましい中国」との戦いだった。そして敗戦だった。

そんななか、持ってきた本を読んだり、昨日買ったライチ、マンゴ、スターフルーツを食べたり。ライチが特に美味。スターフルーツは甘さはうすいが、とてもみずみずしい(食べたことなかったかも)


午後から外出。

三亜にはリゾート海岸が3つある。最高級の亜龍湾、だいぶ格下の大東海、さらに格下の三亜湾という序列のようだ。滞在しているのは大東海だが、きょうは亜龍湾がどんなものか見に行くのだ。

拡大


大通りに出るとちょうど亜龍湾行きのバスが来た。距離はかなりあるはずだが5元。乗り心地もよく混んでもいない。今回の中国で初めて「安い!」と感動した。

亜龍湾は思ったより遠かった。途中、開発中のマンションがそこかしこに眺められた。土地を切り開いているようなところもいくつかあった。


亜龍湾の中心広場というところでバスを降りた。入場料(53元も!)を払わないと海岸には出られないようになっている。中国の観光地は最近どこもこんなふうだ。しかも、貝殻館というどうでもいいようなミュージアムと土産物や飲食の露店エリアも通り抜けなければならない。

ちょっと小腹もすいていたので、みりんかなにかで甘く焼いたサンマを食べてみた(10元)。とくにうまくはない。


中心広場から左右にビーチが広がっていた。大東海より砂はやや白く海はやや青く感じたが、水の透明度はとくに変わらないと思った。昨日よりやや風が強く波も荒い。


太陽を背に砂浜を東方向に歩いた。するとこちら側は日帰りの団体客が多いようで、歩くにつれ、避けるつもりできた中国の混雑と喧騒がまたもや忍び寄り、襲いかかってくるのだった。


そこから逃げるように、こんどは中心広場から西方向にも歩いた。高級ホテルはこちら側に多く建ち並んでいた。それぞれビーチにカフェを設けパラソルや長椅子も並べている。椰子の木がまるで絵葉書のように生えているが、わざわざ植えたのだろう。

カフェの一件に座って、やっとくつろぐことができた。青島ビールとパパイヤジュース(計80元)。


昨日より気温は低かったが、海にも入ってみた。


このカフェはホライズンというホテルの一角。すぐ後ろには芝生や椰子の美しい庭園が広がっていた。そこからの海はベストと言いたくなる眺め。そのままホテルの中を見て回った。贅沢でしかも落ち着いた建物。こういうところに宿泊すれば、たしかに「中国のハワイ」が味わえるだろう。


それに比べ、われらが大東海は明らかに品がなく貧しいと言える。海そのものは大して違わないが、ホテルや界隈の施設が演出するリゾートのムードやイメージにかなり差があるのだ。


近くにはレストランが集まった場所もあった。やはり高級高額。

そこになぜか、中国の普通の人々をテーマにした彫塑群像があった。美術作品のようだ。ここでの場違い感がおもしろい。日本の普通の人々である私だが、まじまじと見入ってしまった。


亜龍湾からの帰りは、バスがなかなか来なくて日も暮れてきたので、タクシーを使った(70元)。行きと違い道路はとても混んでいた。三亜市内に入ると もはや渋滞。そこをドライバーは歩道や側道に侵入しながらどんどん進んでいった。


市街地の解放路と新風街の交差点で降りた。

拡大
ここは三亜の繁華街でもど真ん中だ。ネオンがあちこちに輝き新宿歌舞伎町すら思わせた。


夕食のプランは何もなく、あるデパートに食べ放題の店があったので入った。巴西酒店(ブラジルアマゾンレストラン)という名前。さまざまな肉の串焼きを次々に焼いてテーブルまで運んでくれる。なにかの鳥の雛の姿焼きもあった。そのほか中国の惣菜とデザートがたくさんあり、こちらが食べ放題。今日くらい胃を少し休めたいとの思いもあったのに、なぜか正反対の行動をとってしまった。1人78元。


食事のあと、長距離バスターミナルを探して訪ねた。あすから三亜の海岸を離れ島の中央部にある五指山という町に行く計画なのだ。バスの切符を首尾よく購入した(1人24元)。



ホテルには市内バスで戻った。こうした公共バスは1元と安い。市井の人の様子に触れられるのもよい。携帯で話す人、夕食を手にぶら下げる人、子連れの人などなど。


大東海の夜は今晩が見おさめ。バンド演奏で盛り上がる砂浜の野外レストランや、メインの通りのけばけばしい電飾などを写真に収めた。


3日間すごした大東海。疲れもたまってきたのか、12時前には眠った。





















【多少銭?】