迷 宮 旅 行 記

長距離のバス待つ君の人生はさておき旅はまだ先がある

タスマニア〈第7日〉

【1号線→フレシネ国立公園→ホバート


朝日とともに目が覚めた。


ふと外を見ると、大型トラックが何台も停まっている。

給油のため次から次へとガソリンスタンドにやって来るのだ。

そのため、昨夜はだだっ広いばかりと思えた空き地が、みるみるうちに埋まっていく。

そのトラックの馬鹿でかさがまた、日本とは違う。


ただ、周囲に広がる草原は静かなまま少しも変わらない。


我々もガソリンを入れ、併設されたカフェで朝食をとることにした。


トラック野郎のたまり場とあって、粗野で精悍なムード。

ホットサンドとでかいコーヒーを頼んだ。けっこう高かったはず。2人で15ドルくらい?

さあきょうは、タスマニアドライブの最終日。

カフェで地図を示し、現在地が1号線のどのあたりか、また東海岸のフレシネ国立公園方面に抜けるにはどのルートがいいのかを聞いた。地図では遠回りになる道路が、舗装されているために結局近いらしいとわかった。


7時半ごろ出発。まず1号線を南下。まもなく左折して4号線。これをひたすら東(やや北)へ。

天気が良いのと午前のドライブなのとで太陽がまぶしかった。


それにしても気持ちのいい道路だ。両側は基本的に草原。遠くに低い山。


道路はあまり広くないが、地元の車は100キロを超えて飛ばしている。


鉄道が並ぶように走り、ときおり交差する。


島の西側とは違い、ときどき街がある。

墓地もあった。


海岸に出る直前はエレファントパスという名の険しい地形。けっこう長かった。


そして東海岸に出たのは9時すぎ。

右折。


青い空の下に青い海が広がった。


少し行くと動物園があった。ワイルドライフ・パークという名前。タスマニアンデビルなどを見るにはこのチャンスしかないかと思い、入ることにした。ウォンバット、ワラビー、コアラなども見た。

タスマニアンデビルは主役であちこちにいた。餌の時間だったのでそれを見たり、触ったりもできた。デビルが口を開けた いかにもの写真をとりたくて、傘をひらひらさせて飛びつかせたが、なかなか難しかった。代わりに傘をまとめる紐が食いちぎられた。




子供のデビル。


ウォンバットはやはりのんきで面白い。これも触れた。ごわごわ。


ワラビーは放し飼いになった親子がじっとしていて、我々の手から餌を食べた。子供のワラビーは親の袋に首をつっこんで、おそらく乳を飲んでいるのだろう。


コアラだってもちろん珍しいが、ここではもはや注目されていない。ほか鸚鵡などもみた。


ビチェノという土地がすぐその先だった。遠くに見えてきた時からとても美しい海岸だった。車を停め、丸く赤っぽい独特の岩場と白い砂の海岸に足を踏み入れた。

輝かんばかりの天気。泳いでいる親子もいた。さて実は、動物園で写真を撮りすぎたせいか、デジカメの電池がなくなってしまった。かなり困った。これからフレシネ国立公園の光景を見に行くのに。思案しているうちに、MacBookのキャプチャー機能を使ってどうにか写真が撮影できるのではないかということを思い出した。試してみたら、どうにか撮れた。

自らの写真も撮った。撮影するにはなかなか面倒で間抜けな姿勢にならねばならないのが、もはやおかしかった。


ビチェノではさらに先の海岸で車を停め食事にした。サンドウィッチ。外はとにかく明るい。そして海はとにかく青い。たくさんのカモメが分け前に預かろうと寄ってきた。

草の色をした大きなトカゲを車の下あたりに発見。さっきの動物園で見たのと似ていた。


そこからだいぶ走行してフレシネ国立公園に到着。駐車場でワラビーの子どもが親のワラビーの袋のなかで寝ているのを間近で目撃。さて、定番の観光コースを通ってワイングラスベイを見にいく。だいぶ昇った。巨大な岩が砕けて落ちている状態のところが途中にあった。


ワイングラスベイ。美しい眺め。天気も最高。カメラはMacBookしかないのが残念。

タスマニアで観光客が一番多いのがここらしい。


同じ道を下った。途中、別の海岸コールズベイも良かった。

ふもとの町からは、海のすぐ向こうで、フレシネ国立公園を形成する険しく赤い山が間近に迫っていた。こちらは迫力があった。


さあこれで第2の目的地だったフレシネ国立公園の観光も済んだ。あとはひたすらホバートに向かう。天気は相変わらず良い。海沿いの道路がしばらく続いた。このあたりの海はとにかく広々として美しかった。

しかしホバートは遠く、他の観光地に寄る余裕はないことがはっきりしてきた。ポートアーサーのある島の景勝地も見たいと思っていたのだが。動物園でちょっとゆっくりしすぎた。運転もさすがに疲れてきた。


地図でホバート空港のすぐ近くにキャラバンパークがあることがわかった。ちょっと道に迷い、しかも予想より遠かったが、無事到着した(その直前に通った橋が、水面のすぐ近くに架けられていて、これまた珍しい眺めだった)

まだまだ明るい7時半ごろだったと記憶するが、キャラバンパークの管理人は仕事を終えていた。それでも、どこに車を停めようかとうろうろしていると、親切に向こうからいろいろ案内してくれた。

一泊30ドル。他の利用客はみなすっかりくつろいでビールなど飲んでいた。


(写真は翌朝撮影)


海岸が近いので歩いて見に行った。ここもまた山を背にした広々とした海岸。こちらの気持ちもひたすらのびのびしてくる。また空港が近いため、海の少し先ではジェット機が地面すれすれの水平飛行で着陸して来るのが眺められた。


そうこうしているうちに暗くなった。最後の夕食はスパゲティ。野菜とサーモンも使い切った。外はまたまた星がすごい。シャワーを浴びて眠った。












【take it easy.】