タスマニア〈第5日〉

クレイドルマウンテン→デボンポート】


タヴ湖畔で迎えた朝。天気はよくない。


朝飯。オムレツ(ベーコン、ニンジン、キノコなど)、パン、サラダ、ビーンズ、アスパラガス、フルーツミックスジュース、コーヒー。


雨雲はこれまでで一番分厚いか。これでは山に登っても何も見えないだろう。


近くのインフォメーションセンターに行って様子をみることにする。カウンターで天気予報を聞くと、パソコンの天気予報サイトを指さした。

午後はどしゃぶり、山の上は雪も、と書いてある。


仕方がない、どこか別の所に行こう。地図を見てデボンポートという町に向かうことにした。タスマニア北部の港町。

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モイナまではまた同じ道路。さらに北へ北へ。


ここまで人家のないところばかりドライブしてきたが、この時は、牧場が広がる山間の村々を抜けていくルート。牛、馬、羊をたくさん見た。


遠くの山々が見渡せる場所もあった。

「曇り時々雨」がずっと続いたが、景色だけは申し分なかった。


人家もしばしば現れた。あまり大きくなく平屋が多い。

住宅は道路からずいぶん引っ込んでいるが、郵便ポストだけは道路わきにあり、しかもみな目立った作り物になっているのが面白かった。


そんな写真を撮っていたら、家主が帰ってきた。羊を載せた荷車を乗用車で引いている。乗用車からはペットのイヌが顔を出す。



デボンポートの西、フォース(FORTH)という所まで来た。

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都市が近いかんじ。ガソリンスタンドがあったので給油。

やはりコンビニ的な店になっている。

カウンターの一人が日本語を勉強しているという。日本語で少し会話。

パック入りの寿司が売られていたので買ってみた。冷やし過ぎだが日本のコンビニ寿司とさほど変わらなかった。


ほどなくデボンポートに到着。クイーンズタウンなどより大きく賑やかで、気分は華やいでくる。突き当たりの河に出ると、赤白ツートーンに塗られた大きな船が目に飛び込んできた。

そうか、ここにはメルボルンからフェリーがやってくる街だ。

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きょうは山から一気に海まで降りてきたことになる。


さまざまな表情を見せる海岸線を車で見て回った。




灯台がある一角の眺めがよかった。


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市内にあるインフォメーションセンターへ。土産物店について尋ねると「きょうは日曜なので休み」と言われた。ではあした朝買うことにしよう。ここにもオリーブで出来た石けんがあり1個買った。


商店も休みのところが多い。(写真は映画館)


腹がすいたのでサブウェイに入った。

でかいサンドウィッチを2人で分けて食べた。ハム、七面鳥、チキンの豪華版。コーヒーはたっぷり。やっぱりミルク入り。計15ドルくらいだったか。うまかったが辛かった。なにかそういう野菜が入っているのだろう。作る時に聞かれたのだろうが、適当にイエスとしか答えられない英語の乏しさ。


店で地図を広げていると、ペンギンの見られる場所が近くにあるとわかった。レンタカーを借りるときにもらった地図。情報量が多く今回の旅はそれに頼りっぱなしだった。タスマニアでペンギンウォッチといえばピノチェという町が有名だが、そこには滞在しない予定だから、ここでペンギンを見られたらそれはナイス。


サブウェイから外に出ると、驚くべきことに打って変わって青空が広がっている。タスマニアの天気はまったくわからない。


しかしもう時刻は17時。さっき海岸を見て回った時に見つけていたキャラバンパークに今夜は泊まることに決め、チェックイン。

20ドル。海が正面に見える場所に車を停めた。パワーサイトなので電気と水はOK。ここでは据え付けてあるキャビン(小型住居)に滞在している人のほうが多いようだ。



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車内の冷蔵庫に入れてある食品もだいぶ減ってきたので、そのあとスーパーへ。Colesという店。雑貨店のKマートも併設された巨大な店。



パン、チーズ、ロースハム、リンゴ、牛乳、出前一丁、ミックス野菜、卵、缶入りミネストローネなどを買った。
サンドウィッチが食べたい。


それではペンギンを見に行こう。キャラバンパークの管理人に道を聞いておいた。高速道路のような大きな道路(1号線だろう)を真っ直ぐ北上していった。

両脇には白い花畑が広がっていた。ラベンダーではないか。それにしても天気がよい。日はだいぶ傾いてきた。


海岸に突き当たると、近くにペンギンウォッチングのスポットがあった。


C.W.ニコルみたいな雰囲気の地元のおじさんがやってきて注意事項を伝えてきた。でもほとんど聞き取れず。他に中国系の団体客がいた。


若い男がひとり、私たちににこやかに挨拶し話しかけてきた。韓国人で20歳前後か。オーストラリアに来て中古車を買いそれに乗って国内を回っているという。車を見せてもらうと、ずいぶんぼろい。

オーストラリア産で1400ドル。しかし何度も故障し修理に3000ドルかかったとか。所持品も食料もすべてここに積み、ここで眠る旅だ。トランクにはオーストラリア製のインスタントラーメンがどっさり入っていた。さっきのスーパーでも売っていた品だが、うまいらしい。

フリーターだといい、旅行しながら金を稼ぐため、にわかにリコーダーを練習し路上で聴かせてきたという。最初1日10ドルくらいだったが、今は1日15ドルもらえると笑う。実際に吹いて聴かせてくれた。日本ではリコーダーを小学校で習わされるということも知っていた。僕もリコーダーを借り、アリランをちょっと吹いた。

パフォーマンスの最後はいつもオーストラリアの国歌にするらしい。ちなみに、戦前の韓国では日本が支配していたため韓国の国歌は歌えず、ほたるの光をそれに替えていたという話もした。

彼はタスマニアは今日が最終日。ちょうど先ほどのフェリー(タスマニア号)が海を出ていくところが見えた。

「明日はもうあれに乗って本土に戻るんです」


そんなことで和んでいたら、暗くなっていた。ペンギンはどうなんだと見に行くと、みんな熱心に海岸を見つめている。何か動いている気はするが、暗くてほとんど見えない。ただ、クワクワ鳴く声はずっと聞こえている。それと、鳥の巣を思わせる臭いが漂ってくる。先ほどのおじさんが赤いライトでそっと照らしてくれる場所に目を凝らすと、ペンギンの姿というか影というか、そういうものがたしかにあった。

小さなペンギンだ。くちばしが長く、羽をばたばた動かしているのが、どうにかわかる。二頭くっついていることが多い。雄と雌だろうか。


日は完全に暮れ、すぐに星が出てきた。こんな街でも星は本当に地平線のすぐそばまで驚くほど明るい。だいぶ寒くなってきたところで、そこを立ち去った。ありがとうC.W.ニコルおじさん。そしてコリアン青年よ、名前も聞けなかったが、元気で。


帰路は少し迷ったがキャラバンパークに帰着。しかし周囲は寝静まり夜更けのイメージ。キャンプ場で夜遅くまで騒ぐということはないのだろうか。シャワー室にも誰もいなかった。お湯を止めるとちょっと寒い。


夕食はスパゲッティ。スーパーで買ったエビが入った。


外はまたもや恐ろしいほどの星空。あしたこそ晴れるだろう。


































【take it easy.】